うちに来て
1週間が経ったころから
にんじんや白菜など
それまで食べていたものを
拒否するようになりました。
おそらく
もともと野菜は食べない
ほかにないから
食べていた・・・
去勢手術を終えたカツには
少しずつ
私たち人間と暮らすことを
学習してもらい
同時に私たちは
ツキノワグマに
ストレスを与えないよう
接し方や環境を
いろいろと
改善していきました。
慎重に慎重を重ねながら
お世話をしていき
カツには毎日
『カツが思うほど
人間は悪くないんよ』
・・・と教えていきました。
私は
栃木拠点にいる間は
なるべくカツのそばで
寝転がるようにしました。
カツは自分から
私の近くに来るようになりました。
私との関係は
日に日に
良好になっていきました。
ポン菓子は大好物で
1粒ずつ食べます。
この写真は
たまたま床にばらまいてますが
指先に
ポン菓子を1粒乗せると
その1粒を上手に
舌で舐め取って食べてくれます。
舌は
やたらと細長く
木の幹の中にいる虫を
食べるために
進化したんだな・・・と思います。
。。。。。。。。。。。。。
カツに
なにを食べさせるか
それは大きな課題でしたが
私が子どもの頃に
クマを飼っていたオジサンが
「クマに
肉の味を覚えさせちゃ
ダメじゃけぇ
ワシは
りんごを食べさせとる」
・・・と
言っていたのを思い出し
カツの主食は
りんごに決めました。
カツは
小松菜の茎は食べるけど
好んで食べるわけでは
ありません。
クマの飼育本には
「クマはジャガイモが好き」
・・・と書いてありましたが
カツは食べません。
サツマイモやキクイモは
食べます。
虫の代わりはいりこ
りんごは
しっかり洗って
上下のへこんだ部分を
取り除きます。
これは
山羊・鹿・猪と同じです。
カツはパンも好き
黒豆を茹でたのも食べます。
おむすびは
どうかな・・・と入れてみたら
お米は大好物でした。
そりゃ~カツの先祖は
阿武隈山地だもん
※※東京農大の山﨑先生に
教わりました。
これがカツのフン
この半分消化体制が
《クマは森を守る》
・・・と言われているユエンかな
・・・と思います。
鹿や山羊のフンからは
植物が
芽を出すとは思えないけど
クマのフンからは
植物が
芽を出す気がしますもんね・・・
カツを保護してから
ずっと
室内飼育をしていましたが
そろそろ
外の運動場(獣舎)で
運動させたいな・・・と
ずっと
室内飼育をしていましたが
そろそろ
外の運動場(獣舎)で
運動させたいな・・・と
ツキノワグマは
特定動物ですからね
運動場(獣舎)も
かなり頑丈にしないと
飼育許可が下りません。
周りはぐるり
コンクリートで固め
鉄柵は5㎝ピッチ
扉は3重で
全ヶ所に南京錠取付
ちゃんと扉が閉まってないと
ライトが光り
助けを呼ぶときは
エリア全域に
サイレンが鳴る仕組みです。
これは遊具用の穴
設計段階で組み込んでいました。
遊具ができるまでは
こんな感じでした。
遊具用の丸太を購入したとき
もちろん遊具は
《職人T》が作ります。
2021年2月
運動場内に遊具も完成♪
最初は
カツも小さかったので
運動場まで
ワッショイ!ワッショイ!
担いで運んでいました。
初・運動場
カツは怖くて
登ってしまいました。
・・・なので
私も一緒に入り
『怖くないよ!
カツの運動場だもん』
・・・と教えました。
遊具に上がれる
《飼育員見習いT》は
カツを
落ち着かせるために
ひそかに大活躍♪
2日もすれば
運動場にも慣れ
遊具に興味津々
高いところにも
登れるようになり
もうちょっと遊具が欲しくなり
小谷に消防用ホースを
買ってもらいました♪
そのホースで
ハンモックを作ろう作戦!
《作業員T》と小谷と私と
知恵を絞って
ホースでハンモックを編み
でき上ったら
「これで大丈夫か落ちないか
中谷さん乗ってよ!」
・・・と言われ
『え?私じゃなく
田原くんが乗ってよ!』
・・・と言うと
「なにを言いよんや!
カツ大きゅ~なって
体重が重うなっても大丈夫か
それを知るためじゃけぇ
中谷さんが適任じゃろ?」
へ~~~え!!!
カツ!小さい!!
・・・とゆ~か
ホース
こんなに白かったんじゃ(笑)
今は真っ黒よ(笑)
カツと私
この距離感がちょうどええ
あまり近づいてもね
怖いだけじゃし(笑)
だって相手は熊でっせ!!
ね♪
。。。。。。。。。。。。。
年が明けた
2022年1月
カツが独りで寂しそう
・・・ってんで
《職人T》が丸太で
カツくん1号を作りました(笑)
これ・・・
絶対・・・要らん・・・(笑)
カツ・・・喜ばん・・・(笑)
カツ・・・
カツくん1号とご対面
おっと!
カツくん
カツくん1号を抱きました!
すぐさま倒しました!
ふ~~~ん!
カツくん1号は
転がされたまま放置され
カツは
向こうの方に居ます。
(笑)(笑)(笑)
。。。。。。。。。。。。。
2022年4月
《職人T》が
カツのプールを作りました。
二重になっているのには
わけがあって
止水栓を
カツが抜くのです(笑)
・・・だから
抜かれないように2重
あれから3年経った今も
私が
一番大事にしていることが
授乳・哺乳関係です。
カツはうちに来たときは
すでに
授乳が必要な
月齢でもなかったけど
クマも哺乳類ですからね
ミルクやジュースを
1日に2回《すいのみ》で
チュ~チュ~飲ませました。
それは今でも続けており
カツは
幸せそうな顔をして
チュ~チュ~飲みます。
そして眠気が起きます。
ひろしと同じです。
。。。。。。。。。。。。。
常に進化を続ける
犬猫みなしご救援隊
思いついたアイデアは
すぐに形にします。
2021年8月
カツの遊具に
もう一段高い棚を
取りつけました。
《職人T》が作業中
カツは
運動場の獣舎内に入って
待ってました。
うちに来て8ヶ月
カツはもうじゅうぶん
信頼してくれているので
新しい遊具を
怪しむでもなく
でき上ると同時に
カツは
登り始めました。
なにができても
もう怖くありません。
ここはカツの運動場ですから
ええじゃん♪
ええじゃん♪
・・・つづく
でも、中谷さんの根気ある共同生活で野生のクマが人間を信頼するまでに進化するって感動しました。