九州10月の陣
いよいよ最終日
延岡TNR一斉
会場は前から同じ
廃校の体育館です。
待機猫たちを卓球台に乗せたり
使い道は私たち次第
子猫の兄弟がやって来ました。
写真に写っているモノが
どれだけの大きさか想像しやすいように
私はたいがい自分の手足を
比較対照として出していますが
子猫のときは嫌だな・・・
子猫と比較したら中谷さんの手が
ブクブク太って見えるから
本当はほっそりした
「白魚のような手」なのに・・・
コキンタマくんです。
これを取り出すのは
かなり難しいでしょうね・・・
小さな子猫だと
タマちゃんの手術も難しそうですが
ハナちゃんの手術もかなり難しそう
ハナちゃんの手術痕を見たら
私の「年寄りイボ」より小さいですもん
アタチたちの手術は無事終わりました。
これからアタチたちは
中谷さんの「下請けさん」に
皮下補液をしてもらうの♪
お前たち!
中谷さんの「下請けさん」とか
失礼なことを言っちゃダメだ!
このお方は私の友人の
桂代さまじゃないか!
いや〜〜驚いた!
誰が桂代ちゃんのことを
「下請けさん」なんて呼ぶんじゃろう?
失礼だねぇ・・・まったく(笑)
兄弟全員
不妊手術もワクチン接種も
その他諸々も終わり
皮下補液までしてもらって
いたせり尽くせりだね♪
。。。。。。。。。。。。。。。。。
最後の仕上げに
猫の顔をキレイに拭いていたら
「麻酔から少しだけ覚めた猫」にやられて
左中指の先の先が
グッサリ切れて血が止まりませんでした。
そしたら友人の桂代さまが
心配して駆け寄り
「大丈夫!?
車まで行って絆創膏取ってこようか?
それとも
養生テープで済ませちゃう?
黄色い養生テープならかわいいよ」
・・・と「ご親切に」
そんなこんなの後の写真だから
ちょっと笑いますけど
真剣に子宮の方を見てください。
サイズ的にはいい感じですが
卵巣も黄色いし
結構ヨレヨレな感じの子宮です。
これは誰が見ても異常でしょ!
子宮に
膿がボコボコ溜まっています。
相当
お腹が痛かったでしょうね・・・
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
この後
なかなか正常な子宮がなく
※※ホントに子宮異常が多い
そ〜こ〜してたら出血も止まり
パックリ裂けた傷口に
ティッシュをつけとけばOKになりました。
これが
正常な子宮&卵巣です。
猫には
子宮の病気や奇形が多く見られ
奇形では
子宮の長さが
左右で違う場合がよくあります。
倍半分
子宮の長さが違うでしょ
この子の場合
短い方が正常長さで
子宮が長い方の卵巣は
おへその上の方にありました。
だから私は提唱しているのです。
野良猫を捕まえて麻酔をかけて
お腹を開けるのなら
卵巣だけでなく
子宮も取りましょうよ!と
怖い思いをさせた分
精一杯
親切にするのは当たり前のことじゃない?
問題を持っていた子宮を取り出したから
もう大丈夫だよ!
先天性の奇形ですかね・・・
前足が2本とも湾曲しており
ブランブラン状態です。
それでも
両前足が赤身やタコになっていない
・・・と言うことは
この子はあまり動かないか
無理しながら少しずつ
2本足歩行をしているのでしょう
耳の軟骨もおかしいから
おそらくスコティッシュフォールドの
血が入っているのでしょう。
骨が異常になる遺伝子を持った
スコティッシュフォールドを
「かわいい!」と買うのも
バカな話ですが
「かわいい!」と買ったなら
最後までかわいがれや!
途中で捨てるなボケッ!
・・・と言いたくなるわよねぇ
そんな不自由な体なのに
母乳が出る・・・
子宮の状態からも
生後1ヶ月位の子猫を育てているハズ
幸い
子猫も一緒に
お世話さんが
家に入れてくれるみたいだしね
これからは
自分のためだけに生きればいいよ♪
。。。。。。。。。。。。。。。。。
下顎を顔面強打したら
猫の下顎の皮は
簡単にずり落ちてしまう・・・と書いたら
延岡TNR一斉にも
下顎の皮がずり落ちた子が
立て続けに来ました。
この子の場合
下顎の皮だけの問題ではなく
骨も欠けてます。
この噛み合わせじゃ
食べたものはポロポロ落ちるね
だから体もガリガリで
状態が悪いんだ!
あらぁ・・・
歯も腐っとる!
抜歯抜歯抜歯抜歯〜〜〜ッ!
悪い歯は全部抜歯しました。
お世話さんに
こ〜ゆ〜不自由な子の
お世話の方法を教えたから
これからは
その方法で栄養を取ってね♪
。。。。。。。。。。。。。。。。。。
顔面を強打したばかりの子が
やって来ました。
「10日ほど口を動かさないで」
・・・と言っても
猫は聞いてはくれませんし
口元は
縫合がうまくいかない部位だから
私は
「このままで化膿しないように
しっかり処置しましょう」
・・・と言ったのですが
優しい千葉先生が
「外れると思うけど
せっかくなんで1針だけ縫いますね」
・・・と
千葉先生の1針
このまま着きますように!
。。。。。。。。。。。。。。。。。。
私たちは
命を張って生きている野良猫のために
出来る限りの努力をしています。
昔からあるノミマダニ駆除剤も
耐性ができたのか
ノミが落ちきれないことが多々起きるので
私たちは
3ヶ月有効のブラベクトに変えました。
もちろん3ヶ月効く駆除剤だから
お値段もそれ相当に「高い」ですが
地方のボランティアさんに
負担させるわけではなく
私たちが負担するわけだから
ここはひとつ気持ちよく
猫にとっての利益が高い方を選択しました。
今回の九州10月の陣に参加した猫
504匹全員にも
ブラベクトを使用しました。
「お前たち3ヶ月は痒くないじょ」
これからも私たちは
「ひとつ上を目指し」
「質のいい」TNRを
行っていきたいと思っています。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。
今回の九州10月の陣では
妊婦は1匹もおらず
肝障害が見つかった2匹と
予後を看る必要がある負傷猫5匹も
全員
お世話さんが看てくれることになり
いい話で終わらせたいのですが
最後に
いろんな思いを込め
三毛猫ちゃんのことを皆さまに伝えます。
1才未満の子です。
見るからに腹水がパンパン・・・
腹水の色を見て
年齢が1才未満と言うことで
自分の経験と
先生たちの診断結果を鑑み
FIPコロナウイルスを発症している
・・・と判断
私の責任に於いて
避妊手術は施さないことにしました。
お世話さんに直接
FIPとはなんぞや?のお話をしました。
FIPコロナウイルスは
猫伝染性腹膜炎と言いますが
コロナウイルスは保有ウイルスなので
伝染しません。
よって
隔離する必要はまったくありません。
その代わり
FIPは予後不良の病気だから
治療しても治らず死ぬしかありません。
おそらく
この子にはもう
残された時間はあんまりないでしょう
なんでもいい
なんでもいいから今
この子が好きなものを
魚でも肉でもチーズでもアイスクリームでも
なんでも構わないから
この子がやりたいように
自由に暮らさせてあげてください。
。。。。。。。。。。。。。。。。。
7年前
とある製薬会社の
微生物研究部員の人たちが
うちの栃木拠点に来られたときに
私は「今だ!チャンスだ!」と
「とにかく猫のFIPのワクチンを作って」
・・・と懇願したのですが
「もちろん
我々もFIPに関しては研究してますけど
コロナウイルスは世界中の研究者が
研究しても
なかなか
解明できてない複雑なウイルスで」
・・・と
猫にはFIPに限らず
まだまだ解明されていない
病気がいっぱいあります。
猫は
一般の人が思っているほど
「のんびり」生きているわけではなく
猫は
命ギリギリ生きているのです。
全国TNR一斉を行っていると
それを
しみじみ感じます。
やはり様々な現場で直接目にした
今の現状をストレートに伝えていただける
代表に頭が下がります。
昨今やれトラウマにとかで事実を厳重に梱包した形でしか教わることが出来ない自分の子供達はある意味不幸なのではと思うことがあります。
人間も含め生きものがこういう姿になることもあるってことをもっとストレートに教えてやってはいけないラインをシッカリと個人の記憶にインプットさせることも必要だと個人的には思います。
最後の三毛サンが残り少ない時間を思いっきり満足して過ごしてもらえればと遠い埼玉県のオッサンも祈ってます